ご挨拶
当ショップをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
m.u.m(ムームと読みます)のジュエリーのデザインと制作、ウェブショップの運営をしております、無類井朋子と申します。
このページではm.u.mのジュエリーを作り始めたきっかけ、そしてどのような気持ちで制作しているかをお話しさせていただきたいと思います。長くなりますが、お付き合いいただけますと幸いです。
天然石ジュエリー制作のきっかけは、10代の頃、何気なく眺めていた雑誌に、あるジュエリー作家さんが紹介されていたページに目が留まったところから始まりました。
それまではジュエリーには全く興味のなかった私ですが、「ジュエリーを手作り出来る」という事に目から鱗…というのでしょうか、とにかくビックリしてしまい(今、考えてみれば本当に当たり前の事なのですが、何も知らなかったもので…お恥ずかしい限りです)、これはやってみたい!と彫金の教室に通い始めました。
その後、作家活動のような事をしておりましたが、一度は業界で働いてみたいという思いから、天然石の専門店とジュエリーメーカーに8年程勤めました。その間、たくさんの石を目にし、ジュエリーや天然石の業界の中で、たくさんの勉強をさせてもらいました。この勤務での経験と出会った人たち、そして石たちは私にとって宝物です。
彫金を始めてから出会った天然石ですが、こんなに色鮮やかで美しいものを自然は作り出すのか…という驚きとともに、数千とも言われている種類の豊富さに圧倒されました。そして、全く同じ石はひとつもなく、どれもその石にしかない個性と美を持ち合わせている事…すっかり天然石に魅了されてしまいました。
よくある「宝石」や「ジュエリー」のイメージって、こう言ってはなんですが「高価」というイメージがありますよね。でもそれは一部のことで、自分でも手に入れられる天然石はたくさんあるんだ、というのもうれしい誤算でした。
今は天然石が私の制作のモチベーション、そしてインスピレーションの元になっています。当初は地金だけの作品も作っていましたが、今は石を使わずには制作出来ません。
初期の作品は、自分のイマジネーションそのままの「これが作りたい!」という欲求に従って作っておりました。今、その作品を見ると未熟な所が目につきますが、どうしても形にしたいという純粋な制作意欲にはちょっと感心してしまいます…(笑)。
現在は石がどうしたら一番美しく見えるか、そして身に付けやすさをまず考えます。大きな石が好きで、大振りのジュエリーが多いため、身につけやすいとは言い難くなってしまう場合もあるのですが…。大きな石のリングは「石の大きさにしてはつけやすい、指のなじみがいい」とのお声もよくいただいています。
制作方法は「ロストワックス」という蝋に似た素材を削り出した後、地金に鋳造する手法で主に制作しています。様々な形状の天然石に合わせて形作りやすく、まろやかなラインが出せるため、私に合った制作方法だと思っています。不定形な石を使うことが多く、型取りが出来ませんので、その石に合わせてひとつづつ枠を作っています。その意味でも、世界にひとつだけのジュエリーです。
身に付ける方と石の距離が近いお守りのようなジュエリー、そして身に付ける方の個性と魅力が更に活きるジュエリーを目指して制作しています。
ここ数年は国産鉱物が面白く、よく仕入れては制作しています。
世界各地で採れる天然石、産地の地名を聞いてもピンと来ることが少なかったのですが、新潟県の…奈良県の…と言われると俄然面白くなってきたのがきっかけです。日本国内でもこんなに美しい石が採れるということを、私自身も驚きましたし、皆様にも知って楽しんでもらえましたらうれしいです。
石は私にとっては小さな友達です。その石を身につけることで、気持ちがウキウキしたり、落ち着いたり、心強く感じる…なんて素敵な事なのだろうと思います。奥深い天然石の世界、ご一緒にお楽しみいただけましたら、これ以上の喜びはありません。どうぞごゆっくりご覧になってくださいね。
商品の詳細や在庫の有無など、何かご質問がありましたら、ページ上部のお問い合わせフォームより、どうぞご遠慮なくお問い合わせください。
天然石について
m.u.mの天然石はすべてひとつひとつ手に取り、チェックしてから仕入れています。
大変ありがたい事に信頼の置ける業者さんとの出会いがあり、いろいろ教えてもらいながらの仕入れの時間は、とても楽しいひとときです。「石との出会いは一期一会だから」は天然石業界のある意味殺し文句だと思いますが(笑)、素晴らしい石があるとついつい、予算オーバーでも仕入れてしまったりしています…。
私の石の好みとしましては、端正で完璧な「貴石」よりも、半貴石と言われる石たち、模様や内包物がある個性の豊かな石が好きです。そして何より、存在感たっぷりの大きめの石が好きです。
m.u.mで使用する石たちは、インクルージョンやクラックが入ったものも多いですが、それも天然石の魅力のひとつと楽しんでいただけましたら幸いです。個性的な天然石のジュエリーは何より、「世界でひとつだけ」の一点物です。
私の石選びの基準、そしていろいろな解釈のある天然石の「捉え方」について、以下はあくまでも私の主観ですので、その前提で読んでいただきたいのですが、宝石学の勉強をし、働いている際に見聞きした観点から、感じたことを書きたいと思います。
天然石は「鉱物」と「宝石」としての捉え方は少し違いがあります。
「鉱物」は自然のそのままの姿が愛好されます。原石も鉱山から採掘した際に、付着物を除去するために酸で洗うなどはしています。鉱物そのままの姿、成長した様子や環境による差異を楽しむのが醍醐味のような気がします。
「宝石」は美しさの向上や耐久性を補う処理が行われている事があります。
例をあげますと、ルビーの鮮やかな赤を引き出すための加熱処理、ターコイズの脆さを補うための樹脂加工、エメラルドも内包物が多いため、オイルによる含浸処理が行われます。ジュエリー業界ではこのような処理はそこまで問題にならない傾向がありますが、「鉱物」の世界になりますと、あまり歓迎されないようです。もちろん、ジュエリーの世界でも元の姿とはかけ離れたものになる処理は「処理石」と言われ、敬遠される向きはあります。あとは「人工石(天然石と同じ成分と構造で、人工的に作り出したもの)」「合成石(天然石に似せた、成分・構造ともに違うもの)」もあります。人工石、合成石、処理石が悪い、ということではありません。
これら処理についての捉え方は大変難しいですが、私の石選びの基準としては、
・前提としては、なるべく自然に近い状態がいい
・処理されているものは、どのような処理がされているか知りたい
・あまりにも元の姿からかけ離れた処理のものは避けたい
・脆さを補う処理はしてあっても可(耐久性がなく、持っていて崩れたりするのは悲しいですので…)
というスタンスでいます。面白いものがあった場合など、また考えが変わるかもしれませんが、今現在はこのような気持ちです。ちょっと曖昧で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
これまでは人工石や合成石は使っておりませんが、使う場合は表記します。また、処理がされていると分かっているものは記載しておりますが、処理の技術が発達しており、業者さんも把握出来ないことがたまにありますので、本当に細かい所までは分からない場合があります。その点、ご理解いただけますと幸いです。
そして、天然石を「パワーストーン」として捉える向きもあります。長い時間をかけて成長した天然石は「波動」を出している、と言われています。その波動が人に対して効果を出すこともあるかもしれません。
こちらの捉え方も大変難しいのですが、私としてはその「パワー」も楽しんでしまおう、という気持ちでいます。それぞれの石がどんな石なのか、同種同士ではある一定の傾向はあると思いますが、その先はひとりひとり感じ方が違うと思っています。例えば、あるものに対して「美しい」と感じるか「醜い」と感じるかは人それぞれです。ざっくりとした謂れを商品説明に書いているものもありますが、それよりまず、ご自身でどう感じるか、是非楽しんでいただきたいと思います。きっと石との距離がグッと近くなりますよ!
恋愛運アップの石、金運の石、健康に良い石、魔除けの石…その時の気分で「今日のパートナー」を選ぶ、そんな風な楽しみ方もありだと思っています。
使用している金属について
主にシルバー925、またはシルバー950を使用しています。
シルバー925は銀92.5%に銅7.5%を、950は銀95%に銅が5%配合されています。
銅を混ぜることで、多少硫化しにくく、固くなります。
たまに18金や10金でも制作する事があります。18金は金が75%、残りの25%に銀や銅を配合しています。この銀と銅の割合を変えることで、イエローゴールド、ホワイトゴールド、ピンクゴールドとなります。
以前はあまり見られなかった10金も、最近は多く使われているように感じます。10金は金が42%で残りの58%は銀か銅を配合しています。金が高騰しているため価格の面ではもちろんですが、ちょっと淡めの爽やかなゴールド色で、さりげなくつけられるというのも人気のひとつかもしれません。
他にピアスやネックレスの飾りのビーズや金具などで真鍮(銅と亜鉛の合金)や14KGF(14金ゴールドフィルド)を使用する事もあります。
14KGFは主に真鍮の下地に総重量の1/20以上の14金を使い、高熱と圧力で金張りした素材です。通常の金メッキより剥がれ難いと言われています。
シルバーのお手入れ方法
シルバーは空気に晒されていますと黒く硫化してきます。空気中にわずかにある硫化物と銀が反応し、硫化銀という物質が表面を覆うためです。
お使いになった後は、柔らかい布で汗や水分を拭い、チャック付きのビニール袋に入れて保管していただきますと、だいぶもつように思います。空気が動く場所に置いておきますと数日で変色してきますので、なるべくエアコンの風が当たる場所などは避けて保管してください。
黒く硫化した場合、研磨材入りのシルバー磨きの布で磨きますと綺麗になりますが、石には布を当てないようご注意ください。研磨材によっては石の表面がこすれて曇ってくることがあります。
また、浸けるとシルバーが綺麗になる液体がありますが、天然石が変色する場合がありますので、お使いの際には説明書をよくご覧いただき(使用できない石もかなり多いです)、石に付着しないようにお使いいただけたらと思います。
修理について
当店にてお買い上げいただきましたジュエリーの修理も承っております。まずメールにてご連絡いただき、ジュエリーの状態をお聞かせください。ご連絡いただいた後にこちらにお送りくださいますよう、お願いいたします。その際、往復の送料のご負担をお願いいたします。ジュエリーの状態によりましては、実費をいただくこともございます。まずはご相談ください。
また、恐れ入りますが、リングのサイズ直しは承っておりません。ご了承ください。
天然石の浄化方法
天然石の浄化、一度は耳にされた事があるかと思います。石は持ち主のいろいろなものを吸い込むので、疲れてくる…と言われています。浄化はこれといった決まりはありません。そして必ずしなくてはいけない、というものでもありません。もし石が疲れてきたかなと気になった場合や、お手入れの一環として、お好きなタイミングで試してみてくださいね。
以下に浄化方法をご紹介します。石によっては色が退色したり、表面の艶がなくなってきたりすることがありますので、充分ご注意の上、行ってください。
・水晶の上に乗せる
クラスターと呼ばれる小さな結晶がたくさん集まった原石の上に乗せます。硬度の低い石は水晶のさざれをお皿に広げてその上に乗せておくのもいいと思います。
・ホワイトセージ、お香の煙にくぐらす
ホワイトセージはネイティブアメリカンが儀式の際にホワイトセージを炊いてその場を浄化したと言われています。煙での浄化はどの石にも対応出来る浄化方法です。
・クリスタルチューナー、チベタンベルでの浄化
音による浄化方法で、どの石にも対応出来ます。クリスタルチューナー(音叉)の音は空間の浄化にもなると言われています。
・水に浸す、流水で流す
グラスに水を張り、石を浸します。または流水に当てて浄化します。水に弱い石もありますので、ご注意ください。ラリマー、カルサイト、ロードクロサイト、マラカイト、ターコイズ、ラピスラズリ、アンバー、珊瑚は避けてください。
・塩に埋める
石を紙か布に包み、塩の中に埋め(塩竈のようなイメージですね)、数日置きます。その際、塩水にはしないでください。塩水がクラックの間に入り込み、乾いた際に黄色く変色することがあります。塩に弱い石もありますので、ご注意の上、行ってください。塩での浄化はかなりパワフルな浄化方法と言われていますので、他の浄化ではうまくいかなかった時の最終手段とお考えください。
・日光浴、月光浴
太陽の光、月の光に当てる浄化方法です。太陽の光に当てる際は退色する石もありますので、10分くらいで充分かと思います。アメシスト、ローズクオーツ、クンツァイト、モルガナイト、エメラルド、アクアマリン、オパールは避けてください。また、水晶を太陽光に当てる場合はレンズ効果での火事の危険性がありますので、その場を離れないでください。なお、月光浴はどの石にも対応出来ます。満月の時の月光浴、オススメです。
・土に埋める
石を紙か布に包み、化学肥料などが混ざっていない、清浄な土に埋めます。清浄な土…というのがどういう状態のもので、どう手に入れたらいいのか分からないため、この方法は私も試した事がありません…どうなのかな、と興味はあります。